森下泰輔《JUNE 11, 2015》

110,000円(税10,000円)
森下泰輔《JUNE 11, 2015》 2023 キャンバスにアクリル 455×455mm

艾未未とろくでなし子。2015年6月11日、北京市内のホテルにて。

北京でろくでなし子は艾未未と出会う。艾未未も過去にわいせつ罪で拘留された経験を持ち、なし子のよき理解者だった。艾未未はその後、政治的理由で中国当局から逮捕・拘留され(2011)2015年7月に中国出国を許可され欧州に移り住んでいる。昨年、13年ぶりの来日時にもろくでなし子は艾未未とあっている。

2014年の第55回ヴェニスビエンナーレでは複数の直方体のインスタレーションの中に逮捕時〜拘留時のミニフィギュアがしつらえられ当時の状況を追体験できるように制作された作品だった。本人は中国に足止めされていたので作品だけ送られ展示された。

本作は描写のミニマリズムをテーマとする作品で、できるだけ手数を加えず(できれば一筆で)完成させるような手法を使っている。絵画は工程を加えれば加えるほど絵画そのもののもつペインタリネスから遠ざかるとの主張であり、絵具の物質性を最大限強調しようとしている点からみてグリーンバーグ以降を図式的に目指したものだ。「ミニマル・ドローイング」と命名する。