森下泰輔 《7453》 2023 キャンバスにアクリル、コラージュ 273×273

55,000円(税5,000円)
なし子さんをファンシーなキャラ化してみました。以下は2019年8月7日に出された「表現の不自由宣言」。

ろくで なし子
2019年8月7日
先日開催されたばかりの、あいちトリエンナーレでの「表現の不自由展・その後」の展示が、「ガソリンをまくぞ」などという脅迫や抗議が相次ぎ中止に至った件につき、様々な意見や抗議の声が上がっています。 わたしは海外に住んでいるのもあり、本芸術祭の内容や騒動を知ったのも、つい最近の事でした。 展示の内容的にも、そもそも「組織的検閲や忖度によって表現の機会を奪われたり美術館や展示会から拒否された作品の展示」です。天皇の写真を燃やす動画(正確には、過去に天皇を題材にした作品を国から不謹慎だとして焼却処分された作品について、別の作者がオマージュしたと思われる)など、当然、ある種の人達を刺激して怒りや憎悪を煽るだろう、ぐらいの事はわたしでも想像がつきます。 ただし、「こんな政治的 or 偏ったものを税金を使ってやるな」という意見には、わたしは反対です。作品の良し悪し好みとは関係なく、表現の自由は守られるべきです。 「政治的か否か/ 偏っているか否か」で助成金が判断されるなら、誰がそれを決めるのか。 結局、それは検閲になるだろうし、わたし個人としては、「右も左もちんこもまんこも税金を使って自由に展示できる社会」が望ましいです。 ところで、警察から作品がワイセツだとされ二度の逮捕経験のあるわたしは、2015年に江古田で開催された「表現の不自由展」にもトークゲストで呼ばれ、展示されていた慰安婦問題の象徴となっている少女像と、自作のまんこちゃんフィギュアを持ってツーショット写真も撮りました。 ですので、当然今回の展示にも、お声くらいはかかっても良いのに、なぜわたしが呼ばれなかったのか不思議で仕方ありません。 ただ、それよりも疑問に感じたのは、この展示を企画した津田大介芸術監督が、あらかたの抗議は予想できたはずなのに、クレーム専用の窓口やスタッフも立てておらず、開催に苦言を呈した某政治家の意見に猛反発する事もなく、また表現の不自由展関係者と一切の話合いもないままに、一方的に中止決定した事でした。それは単なる自主規制と言えるのに、「戦後最大の検閲」と報道しているメディアにも首を傾げております。 わたしは、ガソリンをまかれても表現の自由を死守しろ!などと根性論は言いません。根性論ほど大嫌いなものはありません。 しかし、何の対策もせず、いざ抗議が来たら涙目で自主規制とは、あまりにお粗末です。 これまで表現の不自由展で活動して来た表現者や関係者の意見も聞かずに中止を決めたのも、表現者の思いを踏みにじる行為です。 某社会主義国のように、作家が政治犯として逮捕されたわけでもない、作品を強制撤去されたわけでもない、単に政治家に「意見」されただけで、トドメを刺されたわけでもないのですから、もしも真に表現者や作品のことを考える芸術監督であるならば、関係者と地道に交渉を続け、中止だけは避けるようもう少し努力して欲しかった。 もちろん、死者が出るかもしれない危険を考えれば、中止にしようという意見そのものは理解します。 ですが、ただ狂人が「ガソリンまくぞ」と言っただけで簡単に世界を無にできると証明してしまったことは、重く受け止めるべきでしょう。 今、わたしが一番望んでいるのは、批判が集中して弱っている芸術監督やTwitterを鍵かけて逃亡中の企画アドバイザーをこれ以上正論でぶん殴ることではなく、まだ開催期間が2ヶ月近くあるので、今からでも表現の不自由展の立て直しを考えてほしい事と、卑怯な脅迫犯を絶対に許さず、必ず逮捕、刑事告訴し、愉快犯をのさばらせないことです。 数年前、わたしのまんこごときに威信をかけて捜査した警察の皆さん、お願いします。ハロウィンの渋谷に適当に集まって暴れた若者達を特定するぐらい優秀なんだからできるはずです。 ついでに、あいちトリエンナーレ主催の皆さん、もしも面倒臭いクレーマー対応に本当に困っていたら、ろくでなし子を呼んでください。毒をもって毒を制すと言いますが、おかしな人が「責任者を出せ」とか言って来たら、おかしな奴を出すのはどうでしょうか? 右翼の街宣車にも、むしろノリノリで、警察にも押収された自作のまんボートを盾に対峙したいと思います。